説教題:「混乱の世界の中で、何を求めるか」
聖書:マタイによる福音書 第7章 7~12節
説教:齋藤善樹 師
賛美:新聖歌138番「よろずのもの」1,2,3,4 「聖霊の風が」
今日はペンテコステの日曜日です。この日、聖霊が降り、神の力が私達に働きかけ、教会が誕生しました。混乱する世界で私達は聖霊を祈り求めるべきです。イエス様は何でも必要なものを求めなさい、そうすれば与えられるとおっしゃいました。私達は、何歳になりましても、神に祈り求めることを止めてはならないと思います。自分のため他者のために祈り求めるべきものが多くあります。
祈り求めることについて、イエスは一つの譬え話をされました(ルカ11:5-13)。真夜中に友だちにパンを求める話しです。夜中に突然、ある人の所に遠いところから友人がやってきました。食べ物を出してやりたいのだけれども、出すものがありません。そこで近所の友達の戸を叩いて三つのパンを求めました。友達は家の中から言います、「勘弁してくれ、今何時だと思ってる?パンを出すことはできない。」けれどもその人があまりしつこくするので、「仕方がない、それなら出してやろう。」という事になったというのです。
この譬え話は諦めないで具体的に祈り求めるということを教えるものです。神は天の父ですから、その友人よりももっとあなたの事を思って下さる方です。求めよ、捜せ、門をたたけとイエスはおっしゃいます。もしあなたに願いがあるならば、ストレートに神に求めなさい。私達は心配したり、思い悩む割には祈っていないのです。私たちには祈りを実際に聞いておられる方がいるのです。
今日のメッセージの題を「混乱した世界で何を求めるか」としました。混乱の世界とは自分にとって秩序のない世界です。期待通りにいかない世界です。不安や恐れが襲ってくる世界です。私たちには欠けているものがあるから求めるのです。何かを失くしたから捜すのです。門が閉じられたから、たたくのです。私達の人生は、突然混乱が起こります。重い病気が宣告されたり、家族関係が分断されたり、仕事や学校に行けなくなったり、あちこちの門が閉ざされます。この混乱する人生の中で、イエスは諦めないで求めよ、捜せ、門をたたけと言われるのです。
けれども、叩いているその門が開くとは限りません。失くしたものそのものが見つかるわけでないかも知れません。しかし、別の扉が開かれます。別の何かが見つかるかもしれません。ルカの福音書は、素晴らしい約束を記しています。先ほどの譬えの最後のところで、「まして、天の父は、求める者に聖霊を与えて下さる」とあります。聖霊は私たちを恵みによって支配する神の力です。約2000年前のこの日、イエスの弟子たちの上に聖霊が注がれました。弟子達は安定した状態ではありませんでした。イエスが、十字架に架かられ、復活されたと思ったら、今度は天に戻られて二度と会えなくなってしまいました。厳しい世界に投げ出されたようになった弟子達、これからどうして良いか分からない混沌とした状態でした。彼らは祈ったとあります。祈る中で少しずつわかってきたのでしょう。そして聖霊は降り、世界が変わりました。
聖霊は混沌とした世界の中で新しいものを生み出す力そのものです。新しい扉が開かれ、新しいものが見いだされ、本当に求めていたものを与える力です。神に求める時に、その聖霊が愛と恵みによってあなたの人生を支配するのです。