嫌われ者マタイ、弟子となる

説教題:「嫌われ者マタイ、弟子となる」
聖書:マタイによる福音書 第9章9~13節
説教:齋藤善樹 師
賛美:新聖歌233番「驚くばかりの」1,2,3,4 新聖歌384番「主よ御手もて」1,2,3,4

 マタイは市民から税金を徴収する徴税人でした。彼らは支配者ローマに雇われており、しばしば不正に税金を課し、大きな利益を得ていました。金持ちではありましたが、社会からは罪人扱いされ、一般人と付き合うことはできませんでした。そんなマタイにイエスは「私に従ってきなさい」と声をかけられたのです。マタイは立ち上がってイエスに従ったとあります。彼は職業も、財産も捨てて、イエスに従ったのです。 彼が元々どのような経緯で徴税人になったのか分かりませんが、決して恵まれた環境でこの職業を選んだのでないでしょう。マタイの心の中には、満たされない空虚なものがあったはずです。

 イエスは私の仲間になりなさいとか、入信しなさいとか言われたのではなく、(その表現は間違っていませんが)「私に従いなさい」と仰いました。今までマタイはお金に従う人間、ローマ権力に従う人間でした。けれども今、イエスに従うことを決心したのです。イエスに従う事、これがクリスチャンに課せられた使命です。様々な声が私たちの心に入ってきます。けれどもどんな声よりも、イエスの言葉に聴き従うこと、これが私たちの人生の祝福の鍵です。

 実際にはこの後、イエスの弟子たちの間ではひと騒動あったと思います。何しろ、祖国への裏切り者です。たとえば、弟子たちの中には熱心党と呼ばれるシモンという人物がいました。この人は極右翼です。本来、こんな人物がマタイを受け入れるはずがありません。しかし、イエスに従うというのは、互いに愛し合うことです。皆はイエスに従うという事で一致していました。

 マタイは、この後、イエスや弟子たち、他にも大勢の人々を招いて宴会を開きました。大半は徴税人の仲間、罪人と呼ばれる人たちです。正統派の代表であるパリサイ派の人たちは弟子たちに苦言を言います、「あなたたちの先生は、徴税人や罪人を一緒に飲み食いしている。」イエス答えられました。「医者を必要とするのは病人であって、健康な人ではない。私は正しい人を招くためではなく、罪人を招くために来たのだ」と。イエス様の目から見れば、すべての人は罪人であり、病んでいます。しかし、多くの人はそれを認めようとしません。イエスは、自分が罪人であると自覚し、自分が病んでいることを知る人のところに来られるのです。

 マタイは自らが罪人であり、病んでいることを知っていました。だからこそ、イエスが必要だったのです。またイエスもマタイを必要としていたのです。マタイがいなければマタイ福音書はありませんでした。マタイには大きな役割が与えられました。

 今もイエスは、私たちに「従ってきなさい」とお命じになります。マタイはイエスの声に従いました。イエスに従うことは困難でしょうか?イエスご自身が私たちを助けて下さいます。私たちはイエスに従うプロセスの中で、変えられていくのです。そして心からイエスに従う者にさせて頂くことができるようになるのです。イエスはあなたを造り変えられ、新しい使命をお与えになります。

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