共に愛し合い互いに愛し合う教会

説教題:「共に愛し合い互いに愛し合う教会」
聖書:使途言行録 第2章42-47節
説教:角田利光 師
賛美:新聖歌191「慕いまつる主なるイエスよ」」1,2,3,4 新聖歌434「語り告げばや」1,2,3

 今日の箇所を読みますとペンテコステの日に誕生した史上初めてのキリスト教会の生活が短い言葉で要約されています。想像すると史上初めての教会は、何やら賑やかな雰囲気が伝わってきます。共に教えを守り、共に交わりをし、共にパンを裂き(聖餐式)、そして共に祈り合う教会でした。この教会のキーワードは、「共に」です。人々が共に笑い合う声や息づかいまでもが2000年の時を超えて私たちの心にも迫ってまいります。立派な会堂があったわけではありません。家庭集会の集合体でしかなかったにも関わらずこのエルサレム教会は大変祝福されました。この教会には主にある喜びがありました。そして十字架の贖いによる新しい命がありました。そして何よりも神の愛(アガペー)がありました。日々をキリストと共に生きる生活を送っていました。ここに「共に愛し合う教会」が誕生しました。このエルサレム教会には多くの多くの人々の人生がありました。それはこの教会にたくさんの神さまの愛があったからです。

 また彼らは私財や持ち物を売っては、互いに持ち寄り、貧しい兄弟姉妹に分け与えていました。初代教会のもう一つのキーワード、それは「互いに」です。キリスト教に改宗することは、ユダヤ人社会から追放され、仕事にも就けず、親子の縁さえ切られてしまうとても大きな重荷を担うことになります。ですから貧しい兄弟姉妹の生活を助ける必要がありました。彼らにとって自分の所有物は、本来神さまの恵みによって与えられたものであるという教えのもと、それを福祉のために用いるという概念が子供のころから自然と備わっていました。それがキリストに救われた後「互いに愛し合う教会」としてこの世に実現されたのです。

 そしてこの教会の愛は周囲の人々にも大きなインパクトを与えたことは確かです。「家ではパンを裂き(食事)、神を賛美していたので、周囲の人たちからも好印象を持たれ、主は救われる人々を日々仲間に加えてくださった」(47節)のです。もちろん人を救うのは神さまの恵みと働きによりますが、実はキリストの十字架と復活によって成就した救いの目的はここにありました。キリストの十字架の愛で救われた私たちクリスチャンが共に愛し合うその交わりが、神の国の実体をこの世に証するのです。そのために私たちは、キリストによって救われたのです。主の十字架で愛されている私たち教会は、主の愛を土台にして、共に愛し合い互いに愛し合う教会としてキリストをあかししたいのです。キリストが公生涯で行った以上の大きな業を私たち教会は担っているのですから。

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